電子黒板

小学校の電子黒板について、文科省が取りやめの方針を出しています。
確かに高価なので削られても仕方ないかなと思います。


でも、けっこう誤解している人が多いみたいなので、一言。


電子黒板が導入されても、黒板は無くなりません。
むしろ黒板と一緒に使うべき道具です。
いくら50インチあっても、黒板に書いたことを全部電子黒板に書けるわけがありません。


電子黒板は、テレビで言うフリップのようなものです。
全員の関心をそこに引きつけるので、効率的に要点がまとまります。
デジタルメディアに敏感な子供たちは、電子黒板のように直感的に操作できるものに対して非常に関心を持ちます。
そして使ってみたい気持ちから積極的な授業参加が望めるというわけです。


電子黒板は、画面に文字を書くだけではありません。
大画面のパソコンと同じで、そこに動画を写したり、周辺機器経由で教材や教科書を映し出すこともできます。


電子黒板は固定式ではなく、キャスターでいろんな教室に持ち運べます。
いままでパソコン室に行かないとできなかったことが、各教室でできるようになるのです。


例えば、点字を調べてくるとします。


調べてきたことを、自分の席で発表します。
「階段の手すりに点字がありました。」


しかし調べ方は生徒によって個性が出てきます。
ノートに点字のイラストを描いてきた子ども、デジカメで撮影してきた子供、紙を押し当てて、写してきた子供。


机から発表では、クラスのみんなに、どんな調べ方をしてきたか伝わりません。


ここで電子黒板があったとします。
子供は、実物投影機(小型カメラのようなもの)を使って電子黒板に映し出します。
こうして調べてきたノートを電子黒板を使って説明するのです。
範囲指定して点字部分だけを拡大したり、色分けした線で分かりやすく紹介できます。


発表したことは、普通の黒板に書き留めていきます。
電子黒板の内容が切り替わっても、発表した成果はしっかり残ります。
こういった発表なら、授業に参加するモチベーションが高まることは間違いないでしょう。


恩恵は生徒ばかりではありません。
小学校で必修となった英語。とりわけ年配の教師にはかなり重荷のようです。
電子黒板に文科省から配布されているDVDを映し出し、タッチ操作によって、正確な発音や内容の説明をサポートしてくれます。
CDラジカセ持ってきてカチカチスイッチを押すのと、電子黒板で視覚聴覚的に教えるのでは、雲泥の差だと思います。


ここまで分かったようなことを書いていますが、実際に電子黒板を体験し、文科省教育委員会からモデル授業の話しや今後の見通しなどを聞いているので間違ったことは行っていないと思います。(とても有意義なセミナーでした)


報道では電子黒板ばかりが報道されていますが、教室のテレビをデジタル化したり、教師1人にPC1台、生徒3.6人にPC1台を整備など、コンピュータのインフラ整備もスクールニューディール構想には含まれています。これらは消して贅沢品ではなく、今後のコンピュータ社会においては、決して無駄にはならない投資だと思います。ただ他に財源が必要となると、残念ながら優先順位は下がってしまいます。


実際に導入できたら、授業がほんとに楽しくなるだろうなと思います。