風車が倒壊4

原子力安全・保安院の調査資料が発表されましたが、指示したと言うことくらいで原因は読み取れませんでした。発表資料なのでこんなもんかもしれません。(PDF)

会見後の報道を見るとやっぱり基礎に原因があったようです。手抜き工事で強度不足になり、あっさりと経年劣化が進み、25mの風で倒れてしまったということでしょう。こういう事例は残したくないですが、今後起こらないよう、また既存風車の点検のためにも強度基準法令化を含めて、積極的な取り組みに期待したいです。

風車倒壊、基礎部分の鉄筋ほとんど役立たず

 青森県東通村風力発電機倒壊事故で、発電機を支える円筒形の鉄鋼製部品(基礎上部)と、地中の基礎コンクリート(基礎下部)をつなぐ鉄筋216本のうち152本が、ほぼ無傷だったことが14日、経済産業省原子力安全・保安院の調査でわかった。

 発電機の倒壊を防ぐ基礎部分の鉄筋が、ほとんど役立っていなかったことになり、保安院は、これが倒壊の要因とみて、設計や工事にミスがなかったか調べている。

 保安院の調べによると、発電機(高さ68メートル、重さ179トン)は、地中に埋められた基礎下部に、高さ1・5メートルの基礎上部を介して固定。発電機と基礎上部は、ボルトで固定され、基礎上部と基礎下部は鉄筋とコンクリートでつながれていた。破断は、基礎上部と下部の間で起こり、「通常では起きにくい壊れ方」(保安院だった。

 基礎上部と下部をつなぐ鉄筋は長さ3・8メートルで計216本。外周と内周の二重構造で、外周鉄筋(太さ2・9センチ)152本、内周鉄筋(同1・9センチ)64本が、基礎上部を挟むように設置されていた。外周鉄筋は太くて本数も多く、内周鉄筋より構造上、大きな役割を果たしている。

 保安院が破断部分を調べたところ、内周鉄筋はすべてちぎれていたが、外周鉄筋は、ほとんど無傷で切断やゆがみはなく、まっすぐな状態で基礎下部に残っていた。

 このため、保安院は、外周鉄筋が基礎全体の強度アップにつながらない構造だった可能性が高いとみている。さらに、破断は外周鉄筋の内側で発生。「コンクリートが割れ、(基礎上部が)ずぼっと抜ける形で壊れていた」といい、外周鉄筋が基礎上部と一体化していなかった可能性があるとみている。

 倒壊した発電機は設計上、風速60メートルまで耐えられる構造とされるが、今月8日の事故直前、発電機に設置された風速計で記録した最大瞬間風速は25メートル保安院は、設計か工事に不備があった可能性が強いとみている。
(2007年1月15日3時2分 読売新聞)